◆IL DIVO◆ 21: 『楽譜の歴史』 奏法譜(タブラチュア) 【ドイツ鍵盤奏法譜】

≪毎日がコンサート本番!≫

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Music Gallery 3.Tablature - 5.Tablature for Keyboard works in Germany
URL : http://papalin.yas.mu/W708/#M125

 
  ◇公開日: 2013年10月12日
  ◇演奏時間: 3分57秒
  ◇録音年月: 2013年10月
    上のアルファベットの曲目名をクリックして、
    Papalinの音楽室でお聴き下さい。




一つ前のエスタンピーの楽譜もこの項『ドイツ鍵盤奏法譜』に入れてもよいような気がしますが、著書では『初期鍵盤奏法譜』とカテゴリー名がついていました。初期のものであることを強調するために分けられたのかも知れませんね。



【51.民謡「わが心の底より」 (コンラド・パウマン作曲) (15世紀 ドイツ)】

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ドイツの音楽家コンラド・パウマン(c1410-1473)の鍵盤曲集で、1452年に筆写された楽譜です。民謡<わが心の底より>による鍵盤曲が、右手は定量譜(6線)、左手は文字で記され、中声部は赤インクで区別して記譜されています(ベルリン ドイツ国立図書館所蔵 Fundamentum organisandi)。

ドイツでは、左手の音を文字で書くという方法が定着した感があります。この写真で目を引くのは、小節線が赤インクではっきりと書かれていることと、左手の音と同じように、中声部の音が文字で書かれていることです。音符自体は黒符でした。バッハ以降、モーツァルトやベートーヴェンの時代になって、ドイツは音楽の先進国となりましたが、バロック時代まで、ドイツが音楽的には他の国を追いかけていたことを示す一つの例だと思います。

パウマンといえば、やはり過去に作品を演奏していて、記憶に残っている作曲家です。いつどこで演奏したかといいますと、これまた音楽史に密接に関係するアーペル著の「ピアノ音楽史」に譜例として登場しました。皆川達夫さんのこの著書と、決して偶然ではないと思いますが、同じ曲の譜面が掲載されていました。そんなに速くはない3拍子の曲だと思うのですが、現代譜で言うところの16分音符の使用が、音楽を引き締めていると感じます。中音域から高音域へ移っていく辺りの高揚感は、やはりルネサンス時代の到来を感じました。




【52.鍵盤譜 (ブックスハイマー・オルガン本) (15世紀 ドイツ)】

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1460年ごと筆写されたブックスハイマー・オルガン本です。右手は定量譜(7線)で、左手は文字(文字の上はリズムの表示)で表示して、14世紀のロバーツブリッジ写本の表示法を継承しています。冒頭の部分の解読譜を添えています(ミュンヘン バイエルン国立図書館所蔵 Buxheimer Orgelbuch)。

ブックスハイマー・オルガン本に掲載された曲は、パウマンの作品と同じ時に演奏しました。抑揚を感じるなかなかでした。こちらの作品は、皆川達夫さんの解読譜以外に楽譜が見つかりませんでしたので、3小節のみの解読譜の演奏となります。これだけでは曲に対する感想を述べることは難しいのですが、解読譜の3小節以降の元々の譜面も見ますと、連続音によるスケールの演奏のような動きのある曲だと思います。その中で3拍子の曲を3拍で刻む4分音符の存在が逆に堂々としています。





【53.4声のフーガ (アンドレア・ガブリエリ) (16世紀 イタリア)】

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1607年シュトラスブルクで刊行されたベルンハルト・シュミット(1567-1625)のオルガン曲集です。この時期のドイツ鍵盤譜は、全声部を文字で表示するようになります。文字の上の記号はリズムの指示です。特に短い音符を柵のように並べて記すのが、ドイツ特有の習慣です。下2段の楽曲はイタリアのアンドレア・ガブリエリ(c1510-1586)作曲の4声のフーガです(B.Schmid, Tabulatur Buch)

今まで、そうはいっても現代譜に近い、譜線のある楽譜を見てきましたが、ここにきていきなりカルチャー・ショックです。柵のようにと皆川さんが例えられている記号が、現代譜の16分音符や32分音符の連桁のようにも見えますが、それ以外はいわゆる五線譜とは全く別物に思えます。慣れればこの楽譜で鍵盤楽器を演奏できるのかも知れませんが、私は慣れそうもありません。(^_^;)

全曲の楽譜がIMSLPにありましたので、そちらを借用して演奏しました。アンドレア・ガブリエリは、現代ではより有名なジョヴァンニ・ガブリエリの叔父にあたる多才な作曲家でした。この曲もそうですが、非常に華やかな曲が多く、リコーダーでは4フィート・アンサンブルが似合うような気がします。




楽譜は、音楽之友社のISBN4-276-38008-1 C0073を使用しました。



使用楽器

   ソプラニーノ      キュング         ローズウッド
   ソプラノ         モーレンハウエル   キンゼカー(メイプル)
   ソプラノ         モーレンハウエル   グラナディラ
   ソプラノ         フェール         パリサンダー
   アルト          モーレンハウエル   キンゼカー(メイプル)
   アルト          メック           オリーヴ
   テナー          モーレンハウエル   キンゼカー(メイプル)
   テナー          メック           ボックスウッド
   テナー          全音            チェリー
   バス           ヤマハ          メイプル
   グレートバス      キュング         メイプル
   コントラバス       キュング         メイプル

   チェンバロ       ギタルラ社        フレミッシュ・タイプ
   鍵盤ハーモニカ    鈴木楽器         メロディオン
   ギター          クラシック・ギター
   打楽器         大小ジャンベ、鐘等



Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m



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