◆IL DIVO◆ ジェズアルド / マドリガーレ 第5集 (1611年出版)

≪毎日がコンサートの本番です≫

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Carlo Gesualdo (1560-1613) / Madrigals, Book V (Publication:1611)
URL : http://papalin.yas.mu/W046/#M015

 
  ◇公開日: 2013年3月4日
  ◇演奏時間: 44分16秒
  ◇録音年月: 2013年3月
    上のアルファベットの曲目名をクリックして、
    Papalinの音楽室でお聴き下さい。(視聴・試聴)




第4集から15年を経て出版された第5集。興味津々でした。
その思いを全く裏切ることなくというか、今までで最高の曲集です。

15年という歳月は、ジェズアルドをして、音楽面に限らず様々な経験をさせ、一回りも二回りも成長させたという感があります。成長という言葉が果たしてふさわしいかどうかは疑問ですけれど、周囲の音楽人や当時の社会や音楽界に何憚ることなく、彼の持つ毒気を十分にこの第5集の作品に反映させることができたのではないかと思います。

今回も、リコーダー・アンサンブル用として書かれた楽譜を使いましたので、見慣れたト音記号・ヘ音記号で楽をさせてもらいました。ありがたいことです。

このところ、一日の演奏時間がかなり多くなってきており、楽器の酷使が気になっていましたので、この第5集では、使用楽器を全て変えてみました。GB、CBはそれぞれ一種類しかありませんので、酷ではありますが引き続き頑張ってもらいました。今回使用した楽器に関しては、もう随分長いこと使用していなかったものが殆どで、音程の特徴をすっかり忘れてしまっていましたので、第一曲目からしばらくは思い出しながらの演奏でしたので、不安定なハーモニーとなってしまいました。素晴らしい楽曲が散りばめられた曲集でしたので、この第5集であえてチャレンジをしたことを少し悔やみました。しかしながら、それにも勝る素晴らしい曲だらけであることは間違いなく、これらを声楽アンサンブルの方々だけが楽しむものとするのはもったいありません。是非、リコーダー・アンサンブルや、ヴィオール・アンサンブル等でも演奏して戴きたいと思っています。

インターネットでジェズアルドのマドリガルを調べてみましたら、結構CDが発売されていることに驚きました。嬉しかったのは、例えば当時の様々な作曲家の作品を集めたものの中にジェズアルドの作品が一部収められている・・・といったようなオムニバスものではなく、「ジェズアルド マドリガーレ 第○集」としてジェズアルドの曲だけが収録されているものが多かったことです。ウェブサイトには各曲のタイトルの日本語訳もあるものがありましたので、それをこちらでも掲載することができました。

第3曲(行け、わがため息よ Itene o miei sospiri)と、第4曲(とてもいとしいわが命のひとよ Dolcissima mia vita)の2曲は、ジェズアルドを初めて演奏した「5つのマドリガーレ」でも演奏しています。その際には4フィート・アンサンブルで演奏していましたので、今回は8フィート・アンサンブルで演奏しました。

第5集の作品がどれだけ私を魅了したかは、上の稚拙な文章からもお汲み取りいただけるかと思いますが、特に第15曲(お前は私を殺す Tu m’uccidi, o crudele)では感極まり、演奏直後に友人に感動した旨をメールしてしまったほどです。是非お聴き下さい。



楽譜は、IMSLPから借用しました。リコーダー用の楽譜です。



曲目

   1. 歌って楽しみなさい
     Gioite voi col canto

  2. 見つめなければ私は死なないが
     S'io non miro non moro
  
  3. 行け、わがため息よ         (5つのマドリガーレ集にも含まれる)
     Itene o miei sospiri

  4. とてもいとしいわが命のひとよ   (5つのマドリガーレ集にも含まれる)
     Dolcissima mia vita

  5. ああ、痛ましい喜び
     O dolorosa gioia

  6. いとしい方よ、愛の甘い「ああ」という言葉は
     Qual fora, donna

  7. いとしいひとの目に宿り
     Felicissimo sonno

  8. もし私の悲しみがあなたを悲しませるのなら
     Se vi duol il mio duolo

  9. わが心の命であるまなざしよ
     Occhi del mio cor vita

  10. 命のひとから離れる者は
     Languisce al fin chi da la vita parte

  11. 情けをと私は泣きながら叫ぶのだが
     Mercè!, grido piangendo

  12. ああ、お前たちはあまりにもしあわせ
     O voi troppo felici

  13. 恋人たちよ、競い合って急ぎなさい
     Correte, amanti, a prova

  14. 美しい目をふきなさい
     Asciugate i begli occhi

  15. お前は私を殺す
     Tu m’uccidi, o crudele

  16. ああ、美しい胸を覆ってほしい
     Deh, coprite il bel seno

  17. 悲しく涙もろい私の気質に (第1部)
     Poichè l’avida sete

  18. けれど、私を死へと導く (第2部)
     Ma tu, cagion di quella atroce pena

  19. ああ、暗い日よ
     O tenebroso giorno

  20. もしお前が逃げるなら
     Se tu fuggi

  21. あなたを愛しています、私の生命よ
     T'amo, mia vita


使用楽器 (A=440Hz)

   ソプラノ        フェール      パリサンダー
   アルト         メック        エボニー
   テナー        竹山         メイプル
   バス          メック        メイプル
   グレートバス    キュング       メイプル
   コントラバス     キュング       メイプル




Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m



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この記事へのコメント

ichi
2013年03月06日 08:57
全部邦題をつけていただいて、ジェズアルドの世界をより深く感じられるように思います。社会と隔絶しながら、なお創作に没頭した彼がこうして20世紀以降に見直されようとは本人の考えも及ばない未来なのではないでしょうか。それにしても多彩な表現に加えて何とも危うい感じに惹きつけられます。残業の時に流して聴いているだけで、まだどっぷりという訳ではありませんが、なんとなくPapalinさんがジェズアルドに傾倒するのがわかるような気がします。
Papalin
2013年03月06日 21:56
◆◆ 何とも危うい感じに惹きつけられます。

ichiさん、ありがとうございます。
ジェズアルドの魂に触れてしまった気がして、第6集に手がつけられないでいるPapalinでございます。(^^;

"危うい感じ"というのは、言い得て妙です。演奏も危ういのは言うまでもないのですが、曲自体に薄氷を踏むみたいな危うさを感じます。そこがたまらなく良いのですね。

彼は殺人者ということもあって、彼の血を継ぐ人がいませんでした。それは仕方ないこととしても、彼の"音楽"を継げるような逸材が一人もいなかったというのが悔やまれてなりません。でも逆に言えば、こうしてその作品が楽譜として残っていることによって、彼は孤高の音楽家として、21世紀の現代に燦然と輝いているのです。私の演奏なんて、私が没したら(あるいはそれ以前に)終わりだろうな~なんて。(^^;

> Papalinさんがジェズアルドに傾倒するのがわかるような・・・

とても嬉しいです。 (#^.^#)
 
2013年03月07日 12:32
明日から東京でフランシスベーコン展というのが開催されます→。学生の頃大きな展覧会があって、みにいったのですが、その時は正直あまりぴんときませんでしたが、作家の狂気的な表現や迫力、空間がゆがんだような独特の世界はどこか記憶の奥底にあって、本など目に触れるたびに実物に再会してみたいと思っていました。なんでこんなことを書いているかと、妙にジェズアルドの音楽と波長があっているような気がするんです。どう思います?
しかし、何回聴いても終止に違和感がありますね。5. わが人よ、もし私を殺すなら(第3巻より)みたいに曲想に合った感じに終わらせることもできるのにしないのは、何故なんでしょうね(笑)。
Papalin
2013年03月07日 14:02
◆◆ できるのにしないのは、何故なんでしょうね(笑)。

ichiさん、ありがとうございます。
それは明快です。つまらないからです。

ジェズアルドは、ルネサンス音楽の最晩年の人です。バロック音楽の創始者と言われるカッチーニやモンテベルディと同世代の人です。ジェズアルドにとって、パレストリーナのような音楽は、何百年も前の"古楽"だったに違いありません。新しいものを求める人でしょうから、"できるのにしなかった"のだと思います。

関連してですが、カッチーニやモンテベルディの果たした業績は偉大なものだと感じていますけれど、世が世だったら、ジェズアルドの音楽が正統派"バロック音楽"だったのかも知れないなんて妄想を抱いているところです。

フランシス・ベーコン、私にとってはかなり強烈です。視覚的な絵画と、聴覚で感じる音楽との違いでしょうか、ジェズアルドの音楽は、かなりまともだと思います。私が狂っているのかも知れません。でも、ジェズアルドの音楽が嫌いではないという妻が言ってました。「そうは言っても、モーツァルトが例えばジェズアルドのような曲を書いた人だったとしたら、誰からも愛されるような存在にはなっていないでしょうね。」そうかも知れません。

最近、自分がよくわからなくて、以前はいわゆる現代音楽には耳も貸さない人だったのに、そうでもなくなってきています。そういう音楽を書いた人を、何となく理解しようとしている自分に気づきます。
 
ichi
2013年12月31日 10:07
2013年のPapalinベスト10。第1位は、文句無しでこの曲集から、4. とてもいとしいわが命のひとよ です。この、心をかきむしられるような悲痛な音は、いったいなんでしょう!?これまでに経験したことのなかったものです。
Papalin
2014年01月04日 10:19
◆◆ 第1位は、文句無しでこの曲集から…

ichiさん、ありがとうございます。
今年もベストテンを選んで下さって、ありがとうございます。
お返事が年越ししてしまいました。どうもすみません。

さて、私と見事に被った一曲を選ばれました。もし私が選んだ22曲に順位をつけるとするならば、2位以下はわかりませんが、第1位はこの曲でしたでしょう。そういう意味でもドンピシャでした。

もしもジェズアルドが弟子を育てるタイプの人で、この音楽がメジャーになっていたら、西洋音楽のバロック音楽の主流は変わっていたかも知れないと思うほど、私にとっては衝撃的な曲でした。そしてそれはichiさんのみならず、リコーダー愛好家の何人かを魅了したことは私にとっても嬉しいことでした。この曲を知り、その後何十曲も演奏しましたが、やはりこの曲が秀逸です!