◆IL DIVO◆ H.バットレの作品

≪毎日がコンサートの本番です≫

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H Battre (fl.1430 — fl.1440) works
URL : http://papalin.yas.mu/W040/

 
  ◇公開日: 2012年12月14日
  ◇演奏時間: 29分54秒
  ◇録音年月: 2012年12月
    上のアルファベットの曲目名をクリックして、
    Papalinの音楽室でお聴き下さい。(視聴・試聴)




H Battre (fl.1430 — fl.1440) に関しては、インターネットからは殆ど情報が取れません。1430年代に活動していたということなので、ダンスタブルと同時代の人ということがわかる程度です。初期のフランドル楽派、すなわち初期ルネサンス音楽と分類される時代の音楽家の一人であったという記述はありました。彼の名前をなんと呼ぶのかもわかりませんので、ここではバットレとしておきました。彼には様々な名前があるようで、それらは・・・、
   "Batten H"、"Batten Heinricus"、"Battre Heinricus"
などのようです。

ここで演奏した曲は、殆どが3声によるものですが、"Veni creator"では、4声や5声のものもありました。幾分、いやかなり怪しい音を使っている箇所もありましたが、一応楽譜通りに演奏したつもりです。そのことに関して、私の思うところを少し書きましょう。

ファクシミリによる譜面を見ていないので、なんとも言えませんけれど、いま私たちが使用しているような五線譜はルネサンス初期に誕生したものとされています。Battreの音楽がどのように楽譜として書かれていたのは私は知りませんが、一つは見づらい楽譜であったという可能性です。五線譜だから見やすくて、ネウマ譜だと見づらいということではありませんけれど、現代の譜面のように、小節の中だけを見ても各声部の縦が揃っているというような親切さはなかったでしょう。ですので、後世の人が音を読み違えているのではないかという問題です。しかしながら、これら一連の曲の楽譜はIMSLPで見る限り、2つの出版物からの抜粋であり、これらの中の大多数の3声の曲の譜面が殆ど問題がないと思われることを考えますと、どうやら私のこの説は眉唾物です。

次に考えられることは、私のつたない編曲経験に基づくことでもあります。自分が作曲した曲でも、誰かの別の曲でも構わないのですが、中世・ルネサンスの時代のような、ちょっと気の利いたポリフォニック的アレンジをしてみようと考えて実際に行ってみますと、各声部間で、当時は許されなかった(使われなかった)であろう半音でのぶつかりが生じてしまうようなことがあります。それでも3声くらいなら修正も容易くて良いのですが、4声、5声ともなりますと、各声部を何かしらメロディックな流れを持たせようとするあまり、上記のような不協和音に至ってしまうことがありました。対位法の大家であるバッハが聞いたらストレートに「修行とセンスが足りないだけだ」と言いそうですね。私はそんな時には修正をしますけれど、もしかしたら、Battreはその状態のままにしたのではなかろうか、ということです。そしてそうした理由は、音がぶつかることに、今の私たちが感じているような嫌悪感をさほど抱かなかったのではないか、そのことよりも、メロディックな音の流れを優先させたのではないか・・・ということです。この説も実際とは違うかもしれませんが、前の節よりは可能性が高そうです。

いずれにしましても、今となっては本人に聴くこともできませんし、その辺りに関しては、私がもう少し多くの文献を読まないといけませんね。


さて、このBattreの音楽も、明らかに従来の中世の音楽とは一線を画しています。ダンスタブルの音楽に近いですよね。ダンスタブルが中世の時代にルネサンスの響きをもたらせた人であると、多くの文献には書かれていますが、私は当時のイギリス(島国であったことが重要)では、誰ということなく、こうした新しい響きがあふれていたのではないかと思っています。そしてダンスタブルが有名なのは、彼は王侯貴族に仕え、大陸(フランス)に渡り、ダンスタブル本人としては、ありふれた普通の音楽を奏でたに過ぎないのに、大陸側の人たちが"新しい音楽"としてそれらを受け入れ、誰も彼もが自分の作品に取り入れていった、そしてそれをまたダンスタブルがイギリスに持ち帰った・・・というようなことが実際にあったために、彼が有名になったのではないかと考えています。Battreは、ダンスタブルが持ち込んだイギリスの音楽を耳にして、すっと受け入れた音楽家の一人であったのかもしれません。

素性のわからないBattreの曲のブログですが、演奏して思ったことをつらつら書きました。(^_^;)



楽譜は、IMSLPから借用致しました。見ごたえのある(?)楽譜もあります。(^_^;)



編成 と 使用楽器 (A=440Hz)

   ソプラノ       モーレンハウエル     メイプル(キンゼカー)
   アルト        メック             オリーヴ
   テナー       全音             チェリー
   バス         ヤマハ            メイプル
   グレートバス    キュング           メイプル




Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m



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この記事へのコメント

ミール
2012年12月15日 11:38
バレットかと思ったらバットレさんなんですね 歌は1曲も登場しませんでした。全部同じ曲に聞こえてきました(^^;違いが分からないなんてダメですね 7番あたりのGloriaは低音がたぶん好みかも知れません(勝手に)これは一番聴き応えありました。 (2時間前)
ミール
2012年12月15日 11:39
音使いもリズムも難しそうで、楽譜があるからちょと音だししてみようなんてことにはならないです。たぶん1段くらいで行き詰まるような・・・最後までさすがですねぇ〜 (2時間前)
Papalin
2012年12月15日 11:39
◆◆ ミールさん、ミサ曲が登場すると歌おうと思っているのですが、男声だけでは無理な音域なのでやめました。Gloria、いいですね。途中に激しい音型が2箇所ほど登場しますが、それも今までの音楽ではなかったので、心地よかったりします。(^^♪ (2分前)
Papalin
2012年12月15日 11:40
◆◆ ミールさん、こんな地味な曲たちの演奏を聴いて下さって、ありがとうございます。ハ音記号が読みづらいのは普通の辛さだとして、この中世からルネサンス初期ぐらいの音楽は、ミールさんが仰るとおり、リズムもあまり馴染みがなく、慣れないとちょっと厄介ですね。でもその辺りが馴染みのある音楽と違って、好みです。 (23秒前)