◆IL DIVO◆ 1. 原始的な2音旋律と3音旋律

≪毎日がコンサートの本番です≫

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Die Vier Weltalter Der Musik (Walter Wiora) 1. Primitive two sound melody and three sound melody
URL : http://papalin.yas.mu/W708/#M001

 
  ◇公開日: 2012年12月18日
  ◇演奏時間: 2分28秒
  ◇録音年月: 2012年12月
    上のアルファベットの曲目名をクリックして、
    Papalinの音楽室でお聴き下さい。(視聴・試聴)




「音楽」という切り口で歴史探訪をしますと、私にとってはものずごく完成度の高いギリシャのセイキロスがある日突然現れたのではなく、人類の誕生以来、そこに音楽があったのではないかと思います。もっとも今まで私は西洋の音楽を遡って参りましたので、行き着く先がセイキロス墓碑銘に刻まれた音楽であったというのは当然です。では西洋を含めた世界の音楽は、どこまで遡ることができるでしょうか、そういう疑問が湧いてきたのも当然といえば当然です。しかしながら、西洋の音楽でさえ、その根拠となるようなもの(例えば楽譜ですが、これはまだ高々2千年の歴史しかありません)は、時代を遡るにつれて乏しくなっていく中で、西洋以外の音楽に関して、それらを探し出すことは難しいことでしょう。ではそんな状況下で、どうやって昔の音楽に触れることができるでしょうか。その一つの解が、今回取り上げたような先人の研究と推論による書籍となるわけです。

著者であるヴィオラ氏が「四つの時代」として区分した最初の時代は「先史時代と初期の時代」です。

 Ⅰ.先史時代と初期の時代

      先史時代および初期の時代、その残存物は自然民族のあいだや高度文化の古風な
      民族音楽の中に残っている。

前述しましたように、太古の先史時代の音楽をそのまま知ることはできません。著者は次のようなアプローチをしました。

もしも、現存する未開種族で、その文化が岩絵芸術の繁栄する以前の石器時代に相当するような人々の音楽を比較すると、それを大きく2つのグループに分けることができる。第1のグループには、概して、より古い種族 --- オーストラリアの原住民、タスマニア人、セイロンのヴェッダ、フィジー人などは、ある部面ではふたたび原始化しているのは事実である --- が属し、その歌い方は、つねに狭い音域内の音程で一歩ずつ動いている。はっきりとした協和音はほとんど現れず、その音程は長2度でも短2度でもなく、不確定なゆらゆらする音程である。しかし、音は区別されており、これまで楽譜に書かれてきたよりも、さらに規則的に鼓動するリズムが固執されている。


冒頭に登場する音楽は、セイロンのヴェッダの人々の音楽でした。私のテナー・リコーダーによる演奏では、リズムがあまり強調されていないのと、音程については現代の西洋音楽のそれになっていますので、元々の音楽の雰囲気を伝えるには役不足ですけれど、それでもこの音楽には著者の言う特徴が感じられます。演奏に関しては今後もそうだと思いますが、私のインスピレーションが加わりますので、打楽器等が参加するでしょう。ちなみにこの曲の演奏では、鈴が登場しました。キッチンとガーデンから、にわか楽器が演奏に加わりました。途中で思いついて転調したのですが、短3度の転調はちょっと不自然でした。しかしながら、歌の歌詞が進むにつれて、こうした何らかの転調めいたものがあってもおかしくはないなと考えています。

第2のグループに属するパプア、ニグリト(Negrito:東南アジアからニューギニア島にかけて住む少数民族で、これらの地域にマレー系民族が広がる前の先住民族であると考えられている)、そのほかの種族においては、歌の旋律は、非常にしばしば、ファンファーレ的な「3和音」をなして動いている。

両方のグループとも、根本的なメロディの形態を示しているのである。前者は一歩ずつの音程、中心音を巡っての遊動、および高められた声と休止点とのあいだの区別であり、後者は、水平的な協和音、およびその中での安定した回転である。


この演奏には、キッチンとガーデンから、即席打楽器が演奏に加わりました。3拍子のリズムに、2拍子の打楽器を混ぜたのは、私の思いつきです。

4度・5度およびオクターヴというハーモニーの基本要素は、先史時代の初期においてさえ勢力をもっていた。ギリシャのテトラコード理論より1万年も昔に、4度はいくつかの音程で分割されていた。理論や記譜法や楽器を前提としないでも理解されるこのような実際上の音関係の上に、2音・3音・4音・5音の音組織が、早くも旧石器時代には明らかにその形をとったのであった。これらはアフリカのピグミー、エスキモー、その他の、とくに古い種族のあいだに普及していることから、安定した女家長制社会の中で新石器時代に至って初めて現れたものではないことがわかる。

譜例3は、中央アフリカのピグミーおよびその他同様な自然民族によって行われた歌のひとつの型を示している。ここでは、3和音の中で跳躍する3拍子の女声のヨーデルが示されているが、彼女はこの形式をアルプスの農婦から学んだわけではない。彼女の声は、かなり正確な音程で5音間を上下している。規則的な拍節に従って上下したり揺れたりするので、ハーモニーやリズムの麺でかなり秩序づけられた安定した演奏になっている。そなわち、それは純粋で完全な音楽になったのである。


私の演奏では、お聴きの通り、途中からモルデントを多用しています。それも全くのインスピレーションからの即興ですので、あくまでもシンプルに書かれた譜例(下記添付)を参照願います。


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【 1. 原始的な2音旋律と3音旋律 】




使用楽器 (A=440Hz)

   ソプラノ       モーレンハウエル     メイプル(キンゼカー)
   テナー       モーレンハウエル     メイプル(キンゼカー)

   打楽器       鈴・竹・菜箸・アジアのマラカス




Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m



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この記事へのコメント

ichi
2012年12月19日 12:51
4小節あまりのメロディーを容易く聴かせる音楽にしてしまうPapalinさんに脱帽です。朝聴いたときにはブログが無かったのですが、アレンジしていることはわかりました。何故かって?それはまぎれもなくPapalinさんの音楽だからです。原始人ではありません。
Papalin
2012年12月19日 14:59
◆◆ 朝聴いたときにはブログが無かったのですが・・・

ichiさん、ありがとうございます。
そうなんですよ。昨夜、気合を入れてブログを書いていたら、突然すべてがブッ飛んでしまって意気消沈。仕方なく、今朝それを思い出しながら書こうと決意したら、今度はブログサイトがメンテナンスに入ってしまって、午前中は無理。ということで、仕方ないから、内容を覚えているうちにと思って、テキストファイルに記事を書き始めました。半分以上は昨夜書いたこととは別のことを書いた気もしますけれど。

この本は非常に厄介です。今まで著書の譜例の演奏として、ichiさんから頂戴した本を含めて2冊に取り組みましたが、この本の譜例は、巻末に参考として載っており、各譜例の説明は本文にも登場しない…というのが普通なのです。ですので、これから書くブログもそうですが、私の方での加筆というか、各譜例に対する私の考えや印象を述べていかねばなりません。演奏はインスピレーションと共にあっという間に終わってしまうのですが、ブログを書くのが大変そうです。(^_^;)

> それはまぎれもなくPapalinさんの音楽だからです。

ありがとうございます。
本文にも書きましたが、原始人の音楽を当時の何か根拠となるものを使って再現することはできません。著者のアプローチのように、類推するしかありません。しかも、あえてそれをリコーダーで演奏してしまおうということにも無理があるのは承知です。でもやります。何故かって?それはまぎれもなくPapalinだからです。