◇IL DIVO◇ 2011 歌 ベスト10

Papalinが選んだ「2011年 歌のベストテン」をご紹介します。


何はともあれ、2011年、Papalinの音楽をお聴き下さった方に、心から感謝致します。
本当にありがとうございました。m(_ _)m

2010年のベストテンは、ちゃんと12月31日に書いていたようです。
今回は年をまたぐ形となってしまいました。ダメダメですね。(^_^;)

選曲だけは昨年中に済ませていたのですが、パソコン作業が以前より疲れてしまいます。
昔はよく長いブログを書いたものだと、今更ながら感心しているところです。

さて、2010年は15曲を選びましたが、2011年は10曲になりました。
2010年も大曲への取り組みが多かった年でしたが、2011はそれに輪をかけた感じです。
曲数は少なかったのですが、どれも頑張りました。新たな境地も開拓しました。



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それでは、演奏順に紹介してまります。



(1) ヴェルディ / レクイエム  《2月》

クラシックの好きな曲があっても、それを演奏してしまおうとは思わなかったのが従前のスタンスでした。え、だってモーツァルトのレクイエムとか歌っているでしょ? はい、その通りなのですが、私の中にクラシックの曲における線引きがありまして、不可侵の領域というものがありました。その昔はモーツァルトのレクイエムも、そうした不可侵エリアに入っていたのですが、割りと簡単に足を踏み入れました。が、このヴェルディのレクイエムに関して言えば、どこかでリアルで一度くらいは歌えるかな・・・くらいに思っていましたので、正直この曲を全曲一人で演奏できたことは驚きでしたし、それなりの満足感があります。

プライス、コッソット、パヴァロッティ、ギャウロフの若い頃の最高の声と、カラヤン&ベルリンフィルの演奏によるLDは、何回観ましたでしょうか。ここではオール・パパリンの歌と、パラヤン指揮パパリン・フィルの演奏で恐縮ですが、2011の一押し作品です。歌のベストテンといっても、無伴奏合唱曲以外はリコーダー・アンサンブルで伴奏していますので、歌&笛のベストテンにおける一押し・・・となりますでしょうか。50歳になったPapalinの新境地です。

1曲選んだのは第V曲 「神の子羊」 (AGNUS DEI)です。ヴェルディ自身が涙したという名曲です。




(2) 新実徳英 / つぶてソング集  《6月》

ああいう大震災があって、全ての日本人、そして全世界の人々が「現代を生きる」ということを真剣に心底考えたのが2011年でした。私のところは揺れによる被害もなく、放射能の直接的な影響も見られないのですが、首都圏をはじめ、計画停電によるサーバー停止という形で、このIL DIVO Papalinも少なからずの影響がありました。生活空間の全ての電力を失った方々の思いは如何ばかりでしょう。

そんな中で、誰もが自分のできる支援を考えました。私は義援金を送ったり、被害に合った産地の食材を積極的に購入する程度しかできませんでしたが、新実先生は歌を作られました。現時点において、12曲の"つぶてソング"が楽譜になって公開されています。和合さんの詩に関しては思うところがないわけではありませんが、和合さんの目や思いを通り越して、その先にある実際に起こった震災と今後何十年にも渡って影響がある人災のことを思って歌いました。

1曲選んだのは、「放射能」です。20世紀半ばの反戦ソングでもなければ、このタイトルを冠する曲は登場しなかったかも知れません。新実先生はきっと、ピアノの右手の"無機的な"動きに、目に見えない放射能の無表情さ非情さを表されているのでしょう。




(3) グノー / 聖チェチーリアの祝日のための荘厳ミサ曲  《9月》

ヴェルディのレクイエムを歌っていなかったら、この曲が一押しになったかも知れません。でも、二つの演奏には明確な違いがあります。ヴェルディの方は、全て男声で歌ったのに対して、グノーはあえて女声で歌いました。神秘的で厳かな宗教曲ではヴォイス・チェンジャは使わないと決めていましたが、その掟を破ってみました。それでも心の中に、何か罪のようなものを感じて、同時産物となった男声版をすぐ上に最初に挙げています。ところが自分が聴くのはもっぱら女声を含む混声版の方です。自分の中にあるダメな限界線を辛うじてクリアしているというのではなく、もちろんエゴイスティックにではありますが、それなりに聴こえるし、好みです。だからといって、既に演奏したモーツァルトのレクイエムやバッハのミサ曲を再録音する元気はありません。

1曲選んだのは、グロリアの第2曲、"Laudamus te"です。躍動感あふれるこの曲がお気に入りです。




(4) 木下牧子 / 無伴奏男声合唱曲集 「恋のない日」  《10月》

久しぶりに日本語の合唱組曲が歌いたくなって、買い置いてあった楽譜を手にしました。作曲者が男声合唱のために書き下ろされた作品でした。この歌を歌ったことがきっかけとなって、作曲者と信州でお会いできましたこと、瓢箪から駒でした。

1曲選んだのは、第5曲「秋の夕」です。私の勝手な想像ですが、合唱組曲を作曲されるとき、もっとも大事なのは作曲家を動かせる、強い詩の存在だと思うのですが、組曲になるだけの材料が揃ってからは、その順番決めでしょう。1曲目は冒頭の音から関心を呼ぶ曲、そして色んなタイプの曲を散りばめて、終曲は達成感を感じられるように・・・。こんな思いがあると思うのです。ですので、1曲を選ぼうとすると、第1曲か終曲になりがちです。ですが、実はそれ以外に素晴しい作品だと感じるものがあります。まさにそういう意味で、「秋の夕」を挙げます。




(5) 木下牧子 / 女声合唱とピアノのための 「花のかず」  《10月》

作曲者にお会いして、この組曲の幾つかの曲について、作曲時の思いを伺いました。そのお話がまだ実際の声を伴って耳に残っているうちに歌ったのが、この組曲でした。女声2部といいますと、従来は正直言ってやや上から目線で見ていたところがあったのですが、その思いが穿った見方であったことも実感しましたし、そういう傾向があることを作曲者も承知で、ならばそれを打ち破るようにと真剣に対峙されたお話も伺えました。貴重な体験をさせて戴きました。

1曲選んだのは、第4曲「足おと」です。作曲者からは、この曲に関するお話は全く聴けませんでしたが、楽譜を購入して歌ってみて、というか詩を読んだときからだったのですが、私はこの曲を注目していました。歌ってからは、詩に負けない素晴しい歌だと感じました。今まで通ってきた自分の道程と重ねて見ているところもあります。



(6) 大竹くみ / 男声合唱とオルガンのための 「六つのマリアの歌」  《11月》

合唱づいて来ますと、どんどん歌いたくなります。その路線で挑戦したのがこの組曲でした。ネットで検索しても、作曲者の素顔が殆ど見えないのですが、演奏会やCDでオルガンやピアノ伴奏をされる方でもあるようです。私はもちろんこの組曲のタイトルにも惹かれましたし、オルガンと合唱という組合せにも一目を置きました。当然オルガンの部分をリコーダー・アンサンブルで演奏することを念頭に置いていますので。

作曲のテクニックだと新規性だとか、そういうことは私にはわかりませんが、聖母マリアに関する聖書や聖句を題材にしたこの音楽は、私にとっては新鮮でかつ敬虔的でした。いい作曲家をまた一人知ったなとほくそ笑んだものです。

1曲選んだのは、第2曲「受胎告知」です。作曲者は大天使ガブリエルがマリアに受胎を告げたこの場面を、ファンファーレ的に捉えたのでしょう。でもその対極にある内面的な中間部も素敵です。最後のアルペジオ、初見演奏はダメですね。音を探りながら歌ってます。




(7) 信長貴富 / 無伴奏男声合唱のための小組曲 「見よ、かの蒼空に」  《11月》

最近の合唱曲の人気作曲家で、私がまだ知らない人のひとりが、信長さんです。どちらが姓でどちらが名かちょっと戸惑うようなお名前ですが、この小組曲が出会いとなりました。あえて"小組曲"と形容した理由は何でしょう、長さ等の規模でしょうか、演奏の難易度でしょうか、それとも作曲者の心境でしょうか。いずれにしても、直前に歌っていた木下牧子さんの無伴奏男声合唱曲と共に、現代の人気作曲家の優しさを前面に出された音作りの傾向は感じました。軍歌のような昔の男声合唱曲は好みませんが、一方で何故だか懐かしさのようなものを感じます。自分自身はそういう歌を殆ど歌ってはいないのですけれど・・・。

1曲選んだのは、第4曲「少年」です。詩の言葉と音が見事にマッチしていると感じます。




(8) シューベルト / 歌曲集 『冬の旅』 D911 Op.89  《12月》

12月は頑張りましたね。リコーダー・アンサンブルの方もそうでしたが、こちらの歌の方でも頑張りました。「冬の旅」はバッハの「ロ短調ミサ曲」と同様に途中で頓挫していますが、完成を前提としていますので、その意向だけは申し上げておきましょう。この曲に関しては、ペーター・シュライアーの引退公園が印象に残っています。全曲を歌い終わった後、しばらく動けなかった彼の姿とともに。到底比べようもありませんが、私の冬の旅をいつか完成させたいと思っております。

1曲選んだのは、非常にポピュラーな「菩提樹」です。合唱にアレンジされたものとは随分と感じが違うと思います。詩を読めば、こう曲をつけたくなるのがわかりますね。




(9) バッハ / カンタータ第52番《偽りの世よ、われは汝に頼まじ》  《12月》

エオリアンさんの定期演奏会のプログラムがきっかけとなり、連続的に取り組んだのがバッハのカンタータでした。その一連の中で、3曲目となったのがこの第52番でした。シンフォニアがあの曲だったとは! ということから始まり、全曲演奏を常としている私が、衒うことなくレチタティーヴォも含めて取り組みました。最後のコラールだけ掟破りの合唱も登場させてというスタイルも確立されつつあります。

1曲選んだのは、そういうわけで、最終曲のコラールです。女声は母の歌声にそっくりです。




(10) 宮澤賢治 / 星めぐりの歌 (Papalin 編曲)  《12月》

ひょんなことから誕生した演奏でした。宮澤賢治の詩も歌も、そして私の編曲も、音楽的には取るに足らないものですが、きっと賢治が薪割りでもしながら鼻歌で歌っていたのではないかと思うと、楽しくなります。




ということで、笛編、歌編共に、やっと完成しました。
IL DIVO Papalinのサイトへのリンクが間違っている等ごさいましたら、
誤字脱字等のご連絡も含めまして、是非ご一報願います。



ありがとうございました。



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この記事へのコメント

ichi
2012年01月11日 12:28
歌はなんといっても、ヴェルディ / レクイエムがベスト1ですね。その他印象深いのが、ブログのところにも書きましたが、パレストリーナのミサ<きたれ、汝キリストの花嫁>から <神の小羊>で途中から歌が入ってくるのがしびれます。モーツァルトのカノンとかでも途中から歌が入りますとおのずとポイントが高いんデス!! バッハもしかりですが、個人的にはそんな流れが好きです。
2012年01月12日 06:57
◆◆ 途中から歌が入ってくるのがしびれます

ichiさん、ありがとうございます。パレストリーナのミサ曲・・・「音楽史」の譜例(URL⇒)の演奏でしたね。この「音楽史」の本は、隠れたベストテン功労者でした。リコーダーのみによるコンソートに途中から歌が入ってくるというスタイルは、私くらいのものでしょうか。合唱指揮者の"utakichi"先生が、会うたびにリコーダー・アンサンブルでミサを歌いたいと仰るのですが、至難の技ですとお応えしています。(^_^;)