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zoom RSS ◆IL DIVO◆ 『音楽史 グレゴリオ聖歌からバッハまで』 (中期バロック)

<<   作成日時 : 2011/11/12 12:28   >>

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≪生演奏を公開しています≫

画像
"Masterpieces of Music Before 1750" by Carl Parrish and John F. Ohl 4. Middle Baroque
URL : http://papalin.yas.mu/W705/#M104


  ◇公開日: 2011年11月12日
  ◇演奏時間: 21分26秒
  ◇録音年月: 2011年11月 (50歳)
   上のアルファベットの曲目名を
    クリックして、Papalinの音楽サイト
    からお聴き下さい。(視聴?・試聴?)



バロック音楽の譜例は沢山掲載されているので
初期・中期・後期の3つに分けたいと思います。
いっそのこと、ルネサンス音楽も分ければよかった
と思うのですが、気が向いたら、こっそり行ないます。

ちなみにこの本では、グレゴリオ聖歌からバッハに至るまで、中世だのルネサンスだのという分類はしていません。私が勝手に分けているだけです。でも本の本文に「バロックと呼ばれる新しい時代が始まり・・・」というような記述はあります。バロック音楽の年代別の分類については、Wikiを参照下さい。

それにしても、バロック音楽の時代で今日その名が残っている作曲家だけで、こんなに沢山の人がいます。当然全員を掲載するわけにはいきませんし、全員を掲載したところで、本としての価値がどうなるのかも疑問です。これらの人々に絞り込むのも大変なことだったでしょうね。



楽譜 ⇒ Amazon
古本 ⇒ スーパー源氏



35. ヨハン・ヤーコプ・フローベルガー(1616-1667) <組曲ホ短調> クラヴィコード曲
   Johann Jakob Froberger(1616-1667) Suite in E Minor, for Clavichord


フローベルガーがその名を残している理由の一つに、舞踏組曲のスタイルを完成させたことが挙げられます。それは順に、アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグです。フロ−ベルガーの時代にはもはや舞踏用の曲としてではなく、ただリズムが舞曲としての外貌を留めているに過ぎませんでした。この組曲の形式は、古典派のソナタ形式が現れるまで重要性を失いませんでした。バッハもヘンデルもこうした組曲の傑作を残していますものね。

ちょっと脱線しますが、この本は西欧の音楽が歩んで来た道のりを知る上で本当に役立ちます。例えば舞曲ですが、このフローベルガーの舞踏組曲が登場する前に、2つの代表的な舞曲が紹介されています。これらを遡って聴いてみますと、舞曲がどう発展してきたかが掴めると思います。是非聴き返してみて下さい。

   12. 器楽のダンス(13世紀) <エスタンピー
      Estanpie (13th c.) Instrumental Dance
   22. リュートのための舞曲(1550頃) <王侯の舞曲と後奏舞曲
      Lute Dances (c.1550) "Der Prinzen-Tanz; Proportz"

こうした体系的な本や曲集ものが好みのPapalin。遡りますと、中学生の頃にクラシック音楽に興味を持ち始めたのですが、例えばベートーヴェンの「運命」、を聴きますと、Op.67と書いてあります。まず「Op.」の意味を知ります。すると、前後の作品は何だったのか気になります。Op.68が「田園」だったことを知り、この二つの偉大な交響曲が同時平行で作曲されたことに驚きます。第7番の交響曲はOp.92ですから、ちょっと間があったことを知ります。その間に彼は何を作曲していたのか、どんな境遇にあったのか、色々と興味が湧きます。Op.(作品番号)というのは、作曲家によって、または整理した人によって、作曲年代順ではないということも知っていきます。楽しいですね。そうそう、当時一番欲しかったものは、ベートーヴェンのレコードの全集と、全作品目録でした。そんな少年時代を送って来たのですが、そうした全部知りたい願望は今もって変わっていないということですね。


36. ジャン・バティスト・リュリィ(1632-1687) オペラ<アルミード> 序曲
   Jean Baptiste Lully(1632-1687) Overture to "Armide"


このリュリィのフランス序曲。どう聴いても、17世紀フランスの華やかな宮廷(ルイ14世の時代)の音です。何が私をしてそう感じさせるのでしょうか。一つは華々しく堂々とした出だしの雰囲気、そして楽譜を更に強調して演奏する複付点のリズム、そしてABAの形式による、最初の音楽の再現・・・そんなところでしょうかね。ちなみに"B"の部分には速いフーガが挿入されます。

オペラは17世紀フランスに序曲の発展、すなわち管弦楽の発展をもたらせたのです。こうしたフランス序曲は、パーセル、バッハ、ヘンデルの作品で頂点に達します。バロック後期になりますと、フランス序曲が単独で演奏されたり、組曲の第一曲に用いられるようになります。それだけの華やかさがありますね。バロック時代になりますと、一人ひとりの作曲家の作品がとても特徴的になったように思います。そんなところも、バロック=バッハなんて、とんでもない話だと思ってしまう一つの理由なのですね。ここれは、リュリィに感謝・・・でしょうか。


37. ヨハン・パッヘルベル(1653-1706) <トッカータ ホ短調> オルガン曲
   Johann Pachelbel(1653-1706) Toccata in E Minor, for Organ


ぎゃ〜、トッカータだ〜! トッカータは、つい先日も「レオンハルトのコンサート再現」で嫌々演奏したのですが、トッカータという名を見ただけで、演奏拒絶反応が出てしまいます。でも、この本の譜例を全曲演奏すると決めたからには避けては通れません。仕方なく演奏してみることにしました。が、どうでしょう、いい曲ではないですか。オルガンでは実際にどんなテンポで演奏されるのかは知りませんが、この少しゆっくり目かも知れないテンポで演奏しても充分にトッカータに聴こえますし、第一いい曲ですよ、これ。パッヘルベルの曲も、カノンとジーグくらいしか演奏したことがありませんし、他の曲も知らないでいましたので、ちょっとした発見でした。トッカータとは、もともとイタリア語で"触れる"という意味です。まさに鍵盤に触れるか触れないかくらいのスピードで、即興的にオルガンを弾く姿が見えます。

リコーダーでの演奏に、ちょっと工夫をしてみました。譜面通りに演奏しますと、これは8フィート・セットのリコーダー楽器で充分なのですが、パイプオルガンで演奏されたわけですから、オルガンで言うところのストップの調整を真似してみたのです。つまり、楽譜の実音での演奏に、その1オクターブ高い音を重ねてみました。機材で行なったのではなく、ちゃんと2本のリコーダーで重ねて演奏しました。具体的には、最高音部はテナーにソプラノを重ねる・・・といったようにです。こうして、鍵盤を手で弾くと思われる声部は全て8フィート+4フィートで演奏しました。更にペダルで弾くと思われる声部は、こちらはインチキですが、コントラバス・リコーダーで演奏した音を、ヴォイス・チェンジャーで1オクターブ下げました。もう一つ、リバーヴ処理も、いつも使う「小ホール」効果ではなく、思い切って「大ホール」効果を用いました。これらの合わせ技で、リコーダー・アンサンブルでの演奏も、大聖堂のパイプオルガンの響きに近づくことができたわけです。本当かな?


38. ヘンリー・パーセル(1659-1695) ハープシコード用のグラウンド<新グラウンド>
   Henry Purcell(1659-1695) Ground for Harpsichord, "A New Ground"


パッヘルベルは重厚なオルガンの響きの曲でしたが、続くパーセルの譜例は、ハープシコードや可愛らしいヴァージナルズ用の曲で、ホッとします。この違いを同じ楽器、すなわちリコーダーでどう表現するかが問題です。私は、こちらのパーセルの曲を1オクターブ上げて演奏することにしました。

グラウンドとは、固執低音(ground bass)に基づいて作曲された曲のことです。普通は4小節くらいの決まった固執低音があって、それが幾度も繰り返されます。上に乗る声部は、バスが繰り返されるごとに音楽が移り変わっていきます。ちなみに、パッサカリアやシャコンヌは、グラウンドの進化形とも言えるでしょう。そうそう、グラウンド・バスを演奏する人がちょっと意地悪だと、上声部を演奏する人に、際限なく変奏させるってのもできますね。時間稼ぎや時間短縮もできそうです。

17世紀イギリスの大作曲家パーセルのこの曲は楽譜を見ますと、冒頭部分だけ3声で書かれています。でもよく考えると、これは一つの声部とも見えるのです。不思議ですね。演奏する上で大変だったのが、装飾音符の演奏方法です。この短い曲の中にも、装飾の記号が3種類登場します。そしてそれらは、上昇音階か下降音階かで装飾の仕方が変わります。ゆっくりとしたいい曲なのですが、曲を覚える間もなくいきなり演奏録音するような私には大変な曲でした。(^_^;)


39. アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713) <教会ソナタ ホ短調> 作品3-7
   Arcangelo Corelli(1653-1713) Sonata da chiesa in E Minor, Op.3-7


コレッリの登場です。この曲も一目で(一耳で?)コレッリの曲だとわかってしまうから不思議です。私はコレッリの特徴は2度の掛け合いにあると思います。この曲、冒頭からバシバシ登場しますよね。

17世紀には器楽合奏が発展して、室内楽には2つの重要なスタイルが生まれました。一つは室内ソナタ(Sonata de camera)と呼ばれるもので、家庭で演奏される舞曲楽章の組曲でした。そしてもう一つが、教会ソナタ(Sonata de chiesa)と呼ばれるもので、室内ソナタより荘重な響きをもち、また一層ポリフォニックな曲です。また舞曲のリズムもあまり登場しません。このコレッリの教会ソナタも、Grave, Allegro, Adagio, Allegroという、舞曲の名ではない緩・急・緩・急の4楽章から成り立っています。

さて、この2つのヴァイオリンとチェロのためのトリオ・ソナタ。リコーダーでどう演奏しましょうか。その解に近づく方法の一つは楽器にあります。コレッリのヴァイオリン曲(コレッリは優れたヴァイオリン奏者、教師でもありました)は、リコーダーで演奏する場合は、"高音までよく響く"テナー・リコーダーが相応しいことは経験から知っています。ですので、アンサンブル用に多用している全音のチェリーの楽器ではなく、独奏用として用いるメックのボックスウッド(オトテール・モデル)を使いました。これが一つの方法でした。2番目は、バロック・ヴァイオリンの響きに近づけるために、良質(と自分では思っている)な、微かなフィンガー・ヴィブラートを用いました。同じフィンガー・ヴィブラートでも、フランスのオトテールの作品の演奏に用いるようなものとは、ちょっと違うんです。どこがですって? それは言葉に書きにくい、気持ちの入れようです。そして3つ目は、通奏低音を担当するコントラバス・リコーダー奏者が、自分は弦楽器奏者だと信じることです。


40. フランソワ・クープラン(1668-1733) クラブサン曲<粋な女>
   Frannçois Couperin(1668-1733) Pieces for Vlavecin, "La Galante"


コレッリのイタリアからフランスに渡りますと、そこには、従来の力みなぎるヴァージナル曲の作曲家に代わって、優雅で洗練されたといいましょうか、宮廷好みの粋な曲を作曲する人たちがいました。その代表がクープランです(念のため、プーランクではありません)。演奏はともかくとして、この曲を聴いて戴きますと、曲の優雅さ、粋な感じがお分かり戴けますでしょうか。この曲、出だしを聴きますと、ポリフォニーに聴こえるのですが、それは見せかけのポリフォニーなのですね。声部の数も自由に増減するし、その辺りが「粋な女」を感じさせないでもないですね。

上のパーセルの曲同様に、この曲の楽譜にも作曲者自身が五線譜に平行して装飾記号の演奏方法を記載しています。各装飾記号のルールを修得してしまえば何てことはないのですが、ホ長調という調(シャープ4つ)が、リコーダーでは稀なトリルを要求するので厄介です。

そうそう、35年くらい前、私がリコーダーに興味を持ち始めた頃にきいたブリュッヘンの「恋のうぐいす」も、クープランによるクラブサン用の作品でした。高校の文化祭でも演奏していましたね。曲の感じがよく似ていると思いました。演奏はあまり変わってないですね。(^_^;)



Papalinの多重録音でお聴き下さい。m(_ _)m



曲目

   35. ヨハン・ヤーコプ・フローベルガー(1616-1667) <組曲ホ短調> クラヴィコード曲
      Johann Jakob Froberger(1616-1667) Suite in E Minor, for Clavichord
   36. ジャン・バティスト・リュリィ(1632-1687) オペラ<アルミード> 序曲
     Jean Baptiste Lully(1632-1687) Overture to "Armide"
   37. ヨハン・パッヘルベル(1653-1706) <トッカータ ホ短調> オルガン曲
      Johann Pachelbel(1653-1706) Toccata in E Minor, for Organ
   38. ヘンリー・パーセル(1659-1695) ハープシコード用のグラウンド<新グラウンド>
      Henry Purcell(1659-1695) Ground for Harpsichord, "A New Ground"
   39. アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713) <教会ソナタ ホ短調> 作品3-7
      Arcangelo Corelli(1653-1713) Sonata da chiesa in E Minor, Op.3-7
   40. フランソワ・クープラン(1668-1733) クラブサン曲<粋な女>
      Frannçois Couperin(1668-1733) Pieces for Vlavecin, "La Galante"


使用楽器 (440Hz)

    ソプラノ         モーレンハウエル    グラナディラ
    アルト          メック           エボニー
    テナー          全音            チェリー
                  メック            ボックスウッド(オトテール)
    バス           メック           メイプル
    グレートバス      キュング          メイプル
    コントラバス       キュング          メイプル
    サブ・コントラバス   キュング          メイプル



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