◆IL DIVO◆ グリーグ / ペール・ギュント 第1組曲 Op.46

≪生演奏を公開しています≫

画像
Edward Grieg (1843-1907) / Peer Gynt Suite No.1 Op.46
URL : http://papalin.yas.mu/W233/#M046

  ◇公開日: 2011年4月20日
  ◇演奏時間: 14分50秒
  ◆録音日: 2011年4月 (50歳)
   上のアルファベットの曲目名を
    クリックして、Papalinの音楽サイト
    からお聴き下さい。(視聴?・試聴?)



変なことろが几帳面なものですから、
Op番号順に、興味のある曲を演奏してきました。
やっと知っている曲、ペール・ギュントに
辿り着くことができました。(^_^;)

『ペール・ギュント』は、ノルウェーの劇作家イプセンが書いた、脚本形式の文学作品です。
当初は舞台上演する予定はなかったようですが、数年後に彼は音楽をつけたいと思い、
ピアノ・コンチェルトの成功で世界的に注目をあびたグリーグに、作曲を依頼しました。

苦労しながら1年半をかけて完成したのが、5幕26曲からなる戯曲『ペール・ギュント』 Op.23です。
初演は大成功だったようで、その後もロングランとなりました。

今回の「第1組曲」Op.46は、戯曲の初演から11年後に、当時もっとも人気のあった曲をグリーグ自身が抜粋して組曲としてまとめたものです。作曲者自身によってオーケストラ版、ピアノ独奏、連弾版が出版されました。私が演奏に用いた楽譜はピアノ独奏版です。ちなみに「第2組曲」Op.55は、そのまた5年後に、同じように3つの版にて出版されました。



さて『ペール・ギュント』の物語等につきましてはネット等で見て戴いて、演奏について書きます。

小学生のころ、音楽鑑賞の時間に、大きなスピーカーで大音量で聴きました。標題音楽というのは、子供ながらにイマジネーションをかきたてられるものですね。「朝」はやっぱり清々しい朝の音に聴こえますし、"魔王"という言葉からは、ストーリーは知らなくても、おどろおどろしいものを感じ取るものです。どんなメロディや和音が使われているなんてことはお構いなしにです。そういえば、小学生の音楽鑑賞の時間は、こうした標題音楽が殆どだったように思います。

その『ペール・ギュント』の組曲を、今こうして自分一人で、しかもリコーダーで演奏することになるとは、夢にも思いませんでした。が、リコーダー・アンサンブルも、悪くない、否それなりにイジャンと感じています。

『ペール・ギュント』の個々の曲は、機会あるごとに演奏して来ましたで、今回の演奏は「楽譜通りの音で表現する」と決めました。録音機のヴォイス・チェンジャー機能にも徐々にではありますが慣れてきましたので、そうは言っても思いのほか時間がかかって難儀なのですが、やってみることにしました。



【朝】 (原曲:第13曲)

 
  実は、私にしては珍しく、この曲のテンポを決めるだけに2日を要しました。
  グリーグの指定は、付点四分音符=60です。このテンポがしっくりこなくて・・・。

  でもって、結局どう決めたかと言いますと、出だしは60くらいで始めて、ちょうど45秒の
  ところが最初に出てくるフォルテでして、そこで若干ですがテンポを落とすことにしました。
  グリーグの解釈 --- 「この曲は、音楽的表現に全てがかかっている、と言って良いだろう。
  最初のフォルテの部分は、雲の間から陽の光がパーッと射し込んでくるように演奏して
  欲しい」 --- という一文が、ずっと頭を悩ませていたのですね。


【オーゼの死】 (原曲:第12曲)

  8フィート(ひょっとしたら16フィート?)・アンサンブルのハーモニー作りにもってこいの
  曲ですね。単純な旋律が転調していくだけと言っても良いと思うのですが、ハーモニーが
  工夫されています。オーゼは、放蕩息子ペールの年老いた母です。


【アニトラの踊り】 (原曲:第16曲)

  砂漠の酋長の娘アニトラが脚をちらつかせ、腰をくねらせて、初老のペールを誘惑します。
  グリーグの解釈 --- 「これは、小さな柔らかい踊りである。愛しいものを扱うように、優しく
  柔らかい音を綺麗に響かせ、演奏してほしい。」 --- 意外な解釈です。難しいじゃん。
  最初のフェルマータ。mpなんて、リコーダーではしんどいです。


【山の魔王の宮殿にて】 (原曲:第8曲)

  お馴染みの曲ですね。(^_^;)
  本来の意中の相手ではない、山の魔王の娘にペールは結婚を申し込んでしまいます。
  (そうそう、組曲は原曲の順番通りではないので、この時点のペールはまだ若者ですよ。)
  そのニュースは、宮殿にいるトロルからトロルに広まって行き、トロルたちがどんどん興奮
  していく・・・、そんな様が、つぶさに表されていると思います。アチェレランドしたいですね。
  ですが、どこまでアチェラないで耐えられるか・・・。そこが肝です。

  IMSPLの楽譜を使いましたが、ご覧になっておわかりのように、出だしの左手部分を
  8va bassaで書いてくれないものですから、一生懸命数えました。ピアニストはこういうのを
  視覚的に捉えることができるのでしょうか。笛吹きには慣れないので辛いです。

  でもって、この音を実音でどうやって表現するかが問題です。こうしました。
  一回目の録音で、いきなりエフェクターを使って、オクターブ下の音に変換しながら演奏します。
  ヘッドフォンから聴こえてくるモニター音は、オクターブ下の音なのです。何とも奇妙です。
  そして、録音が完了したら、それをもう一回エフェクトをかけて更にオクターブ下の音に変換し、
  それを他のトラックにコピーします。コントラバスの高音の私の吹き方が下手くそなもので、
  録音して聴いてみると、うまくエフェクトがかっていなかったりで凹んでしまいました。
  でもそこはグレートバスを持ち出して対応しました。ちょっとしたコツを覚えました。(^-^ )
  この低い音、PCのスピーカーだと、低音(約30Hz)は聴こえないかも知れません。



楽譜は、実は買い置きのものがありました。贔屓の全音の楽譜です。
でも、演奏時にはコピーして横に並べますので、結局IMSPLから借りて印刷しました。
細かなところまで検証はしていませんが、ほぼ同じかと思います。

ついでに、演奏もIMSPL(ペール・ギュントのページ)にアップしてしまいました。(^_^;)



Papalinの多重録音で、お聴き下さい。m(_ _)m



曲目と楽器

   1. 朝              A・T・B・GB・CB・SubSubCB
   2. オーゼの死        A・T・B・GB・CB・SubSubCB
   3. アニトラの踊り      A・T・B・GB・CB・SubSubCBT・B・GB・CB
   4. 山の魔王の宮殿にて  Sn・S・A・T・B・GB・CB・SubSubCB・Sub**3CB・Sub**4CB



使用楽器 (440Hz)

    ソプラニーノ                キュング         ローズウッド
    ソプラノ                  モーレンハウエル   グラナディラ
    アルト                   メック           オリーブ
    テナー                   全音           チェリー
    バス                    ヤマハ          メイプル
    グレートバス               キュング         メイプル
    コントラバス                キュング         メイプル
    サブ・サブ・コントラバス         ギャング         メイプル (推定管長:3.9m)
    サブ・サブ・サブ・コントラバス      ギャング         メイプル (推定管長:5.2m)
    サブ・サブ・サブ・サブ・コントラバス  ギャング         メイプル (推定管長:7.8m)





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この記事へのコメント

ichi
2011年04月21日 06:11
今朝見たら星が★★★★★になっていました。いいじゃないですか。もっとあげてもいいですよ。朝のテンポについては最初きいたとき少し早いくらいに感じましたが、こういう有名な曲はみんな聴く人がそれぞれに最初にきいた時のモノに引っ張られる傾向があると思います。ボクがそう。でも指定のテンポがあったらそれをいっぺん咀嚼するのも大事ですよね。この曲の場合、劇中で演奏される場合とこうして組曲で純粋に音楽だけ鑑賞する場合と変えているばあいもあるかもしれないし、ピックアップした曲の組み合わせのバランスもあるとおもいます。・・・でも今日は仕事がたまっていて早く出かけたいので、このくらいのテンポがしっくりきています!? つづきはまた後で
ichi
2011年04月21日 12:22
オーゼの死の前半のテーマの3音目の和音が最後の方(2分過ぎ)にはすごいことになっているんですね。破綻した感じがして好きですこういうの(笑)。こういう曲は低音が効きますね。
Papalin
2011年04月22日 06:41
◆◆ 朝のテンポについては最初きいたとき少し速いくらいに・・・

ichiさん、ありがとうございます。
私の最初の疑問もそれでした。グリーグの頭の中では、かなり清々しい朝が響いていたのだ・・・ということが、なかなか受け入れられなくてね。

ファースト・インプレッションについても、劇中と組曲の違いについても、ichiさんが書いて下さったこと、まったく同感です。(^-^ )
 
Papalin
2011年04月22日 06:46
◆◆ 破綻した感じがして好きですこういうの(笑)

ichiさん、ありがとうございます。
演奏が破綻していたかと思い、慌てて聴き返しました。(笑)
ご指摘の箇所まで、徐々に音楽が進んできて、ichiさんが仰る"すごいことになる"のが2分過ぎの場面ですね。こういう和音、ジャズやボサノバに造詣の深いichiさんですので、尚更お気に入りではないかなと、勝手に推察しています。そしてichiさんにアドヴァイスを戴いた"低音マジック"。スゴイ迫力ですね。オルガンの音に聴こえたり、弦のコントラバスの音に聴こえたり、チューバの音に聴こえたり。でもリコーダーの音だったりです。(^_^;)
 
ichi
2011年04月22日 12:21
アニトラの踊り、ブラボーです。前の演奏も良かったですが、コンパクトだったので、こちらの方が断然聴き応えがあります。アンサンブルだと全音のテナーが活躍するんですね。新しい楽器に囲まれて奮闘しているので、応援しちゃいたくなります。フレーズも息をしないで一気に吹いてくれるので(笑)気持ち良いことこの上なしです。腰をくねらせて踊るアニトラですね、目に浮かびます。これは誘惑されてもいたしかたないですね。aostaさんもそう思うでしょ?
2011年04月22日 19:00
ichiさん

>aostaさんもそう思うでしょ?

はい。思います!
このテンポがいいですよね。ichiさんも仰る通り、今回の演奏は文句のつけようがありません。金髪碧眼(北欧の人ですから多分そうだろうと思います)のペール・ギュントにとって、アニトラのすべらかな褐色の肌も、輝く黒い瞳も、すべてが魅惑的だったことでしょう。テンポが微妙に揺れるのも、蠱惑的なアニトラのイメージそのもののように聴こえてきます。
2011年04月22日 19:14
「アニトラの踊り」、ピアノで弾いてくれたのは小学校の時の同級生でした。
二つあった音楽室のうち北音楽室で聴いた記憶から、まだ低学年の頃。
南音楽室は中・高学年生鹿使えなかったことからしても間違いはないと思います。それまで、家にあったSPレコードでしか聴いたことのない曲を、いとも無造作に暗譜で弾く、という事実は、当時の私には驚愕する出来事でした。
彼女はそんなこと知るよしもないでしょうが(笑)、思うに、この時の感動が、私をグリーグ好きにしたのではないかしら?
そして今、リコーダーでの演奏がとても新鮮です。
2011年04月22日 19:31
久しぶりの三連投です。
「アニトラの踊り」で勢いが付いてしまいました。

「山の魔王の宮殿にて」これは不気味ですね。

もちろん狙いどおりなのでしょうが、それにしても、の迫力です。
魔物たちの狂乱するような乱舞、高笑いの雰囲気をリコーダーでこんな風に表現できるなんてすごいと思います。アッチェレランドして行くにつれ、魔物たちの興奮も高まって、気がつけばあんなに低い音で始まったにも関わらず、いつの間にかソプラニーノやソプラノリコーダがリードしているではありませんか\(◎o◎)/!
してやられた!という感じがしないでもありません。
ドラクエの大ボスを連想してしまいました。

PS:先のコメントで「中・高学年生鹿使えなかったことから」は「中・高学年しか使えなかったことから」の間違いです。悪しからずご了承ください。
ところで、鹿は体温が高いので、鹿肉には寄生虫や雑菌がつきにくい、と聞きますが、さすがに「生」鹿は、ちょっと・・・
ichi
2011年04月22日 21:09
**もちろん狙いどおりなのでしょうが、それにしても\(◎o◎)/!
aostaさんは芸風を変えましたか?

中高生を馬鹿にするなという話かと思いますよねふつう(笑)
まだ会社です。もうやんなっちゃってます。
Papalin
2011年04月23日 06:11
◆◆ アンサンブルだと全音のテナーが活躍するんですね。

ichiさん、ありがとうございます。
そうなんですね。
49秒で登場し、その後も何度も出てくるメロディ。苦悩する表情を浮かべながらペールを誘う音は、品行方正なメックのオトテール・モデルでは無理。全音がやおら活躍するわけです。一応、曲によってどの楽器が相応しいかを考えております。

> これは誘惑されてもいたしかたないですね。

そういう場面が現実にあっても面白いかも。(。^。)コケ!
 
Papalin
2011年04月23日 06:14
◆◆ テンポが微妙に揺れるのも、蠱惑的なアニトラのイメージ

aosta、ありがとう。
たたみかけたり、ちょっと間延びさせたり。
そこは演奏者(正しくは最初に録音する指揮者)のセンスだね。
 
Papalin
2011年04月23日 06:16
◆◆ 家にあったSPレコードでしか聴いたことのない

aosta、ありがとう。
亡くなったお父さんがレコード好きだったんだね。
うちにもSPレコードがあったよ。
引越しのときに、これはもう聴くことはないだろうって、みんな処分してしまいました。聴かずとも、持っていてもよかったね。(^_^;)
 
Papalin
2011年04月23日 06:19
◆◆ リコーダーでこんな風に表現できるなんて

aosta、ありがとう。
コントラバスで演奏した音を、新兵器でもって2オクターブ下げるという技があってのことです。これをリアルに演奏できるリコーダーは、残念ながら世の中には存在しません。

> ドラクエの大ボスを連想してしまいました。

すぎやまこういちさん、きっと、これらの曲を耳にしていたでしょうから、曲想のイメージはこの曲からもらっているかもしれませんね。
 
Papalin
2011年04月23日 06:23
◆◆ まだ会社です。もうやんなっちゃってます。

ichiさん、ありがとうございます。
お疲れ様です。今頃は爆睡中でしょうか・・・。
 
ichi
2011年04月23日 07:28
年を取ると寝続ける体力もなくなるそうです。6時には目が覚めて、もう朝ごはんも食べ終わりました。今日はこちらは☂雨ですね。
Papalin
2011年04月23日 07:47
◆◆ 年を取ると寝続ける体力もなくなるそうです。

ichiさん、ありがとうございます。
"・・・そうです"ということは、まだそうは感じてないのですね。
私なんか、大分前からですが、腰が痛くて長時間寝続けられません。
。・°°・(;>_<;)・°°・。
 
こちらも雨です。寒いです。