『小さな村のクリスマス』 (22)  ~シャルロット編~


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 シャルロットちゃん。僕はあなたとこの秋「主よ人の望みの喜びよ」を器楽演奏させてもらいましたね。あなたのソロのはずだったこの曲を、一緒にアンサンブルさせてとお願いして、無理やりさせてもらいましたね。どうもありがとう。

 そしてこのクリスマスには、今度は歌で同じ曲を練習し、一緒の場を踏みました。あれが12月24日でした。そしてその翌25日には、今度はクリスマス・コンサートで、再びあなたのフルートと僕のリコーダー・オブリガート、そしてミレッラさんのキーボードで「主よ・・・」を演奏させてもらいました。

 あなたの音楽、歌と器楽と、ちゃんと区別している。その楽器に合った、その編曲に合った演奏ができるってこと、とっても素晴らしい。そういう感性というか、音楽感といおうか、そういうものって教えられて身につくものではないように思うんだ。また教わって再現するものではないと思うんだ。名声を博した料理人が、師匠のやりかたを遠くから見つめ、調理したあとのなべに残ったソースを舐め、自ら感じ取って試行錯誤しながら自分の味を作っていくのと同じように、音楽もいい音楽に接する中で、自ら感じ取って、そのテクニックを盗んで、練習して、自分の音楽を築き上げていくものだと思う。そういう資質があなたには備わっているかもしれない。

 ある程度、技巧的なものが身についたら、そこからは、大人も子供も関係ない、音楽の世界に突入する。人を感動させられる音楽を演奏するってことは、その前に、自分が感動していないと人に感動などもたらせることはできないし、伝わらない。自分の感動を人にも伝えたい・・・そういう思いがあってこそ、素晴らしい音楽が存在するのだと僕は思っている。

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 お勉強が大変な時期に、あなたはフルートのレッスンと重なってしまった時以外は皆勤だったよね。本当にありがとう。クレド聖歌隊の中の最年少のあなたに、僕は教わることが沢山だった。エヴァさんがスランプだったときに、みんなで、AグループとBグループに分かれて歌って、それぞれ聴き合ったことがあったね。あのときに、あなたと、あなたの大好きなキリちゃんの声、しっかり聴かせてもらったよ。あのときは、一番大勢いるソプラノでも、二人だけで歌ったものね。二人とも澄んだ綺麗な声をしていたよ。

 合唱向きの声ってのがあってね。それは、うま~くみんなの声と溶け込んでいく声なんだ。二人の声はまさにそうだったかもしれない。

 シャルロットちゃんは、これからきっと、大人の声に変声する。でも、ひょっとしたらあなたのお母さんのように、澄んだ美しい声はそのまま維持できるかもしれないね。そして大人になると、声量がつく。今の声も楽しんで、大人の声も楽しんで、音楽を楽しんでほしいな。

 あなたの個性的な大好きなお姉さんが、来春から新たな道に進まれる。今度はシャルロットちゃんがクレド聖歌隊の主役だ。あなたの本当の出番がやってくる。

 シャルロットちゃん、ありがとう! そして、お勉強も頑張ってね。
                                        つづく



【注:登場人物・団体はすべてフィクションです。】
~~~ 感動的な本番に向かって、いよいよ大詰め! ~~~

【写真】 教会のある原村のペンション・ヴィレッジのイルミネーション。


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この記事へのコメント

2007年01月09日 07:54
シャルロットちゃん。
彼女の演奏には濁りがありません。
そのフルートが奏でる音は清潔で素直。
そして歌は・・・
ウェッバーの「ピエ・イエズ」シャルロットちゃんのソプラノは限りなく繊細で透明です。
ヒラリーちゃんの歌声と一緒になって高みに昇っていくその声を聴いていると、私達のここらまで清らかになっていくような気がします。

キリにとっても、最高の友人として洗礼式にも立ち会ってくれました。ありがとう。
キリの洗礼に当たって、娘に「信仰の武具」を着けるのは母親である私、と何の疑いもなく思っていた私は、「それはシャルロットちゃんに頼みたいの。」、といわれ、キリにとってシャルロットちゃんが本当に大切な友達であることを改めて実感しました。
シャルロットちゃん、キリをよろしく(笑)!!
2007年01月10日 00:38
◆◆ 何の疑いもなく思っていた... aostaさん

お~、子供の巣立ちですね~。
親離れの方が子離れよりもずっと早いかも知れませんね。いいことです。

シャルロットちゃんの声と音、確かに濁りがない。仰る通りです。

ドン・ホセの声と音、どろどろですね。
*o_ _)oバタッ

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